日本産Faristenia属の2新種の追加(鱗翅目,キバガ科)
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概要
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Ueda and Ponomarenko(2000)は日本からFaristenia属の2新種を記載したが,その後さらに2新種を認めたので成虫,交尾器を図示するとともに,記載を行った.Faristenia Hirowatarii sp. n. ヒロワタリシロノコメキバガ(Figs 1,2,5,7) 前翅長5.5-7.5mm.頭部,胸部,前翅地色は白色で淡褐色鱗粉を散布する.前翅前縁に5つの黒色の斑紋を持ち,中央のものは大きい.前翅2/3に黒色斑を持つ.♂交尾器のvalva中央部は腹方に三角形に張り出し,その前方に剛毛列を持つ.♀交尾器のapophysis posteriorisはapophysis anteriorisの約2倍の長さ.交尾口周辺は三角形の硬化板になる.ニセクロモンノコメキバガFaristenia kanazawai Ueda & Ponomarenko,2000に似るがvalvaに剛毛列を持つことで識別できる.分布:本州,九州.寄主植物:不明. Faristenia nakatanii sp. n. ミナミノコメキバガ(Figs 3,4,6,8) 前翅長5.5-6.5mm.頭部,胸部,前翅は暗灰褐色.前翅前縁中央から翅端にかけて暗褐色に縁取られる.♂交尾器のvalvaは先端に向かって細くなり,先端部は背方に曲がる.Valva中央から2/3は三角形の板状に腹方に張り出し,剛毛列を持つ.♀交尾器のapophysis posteriorisはapophysis anteriorisの約2.5倍の長さ.交尾口周辺は五角形の硬化板になる.ムクロジハオリノコメキバガFaristenia mukurossivora Ueda & Ponomarenko,2000に似るが,前翅に顕著な斑紋を持たないことから識別は容易.♂交尾器では先細りになるvalvaにより,♀交尾器では交尾口周辺が五角形の硬化板になることで,他の日本産Farsitenia属の種との識別は容易.分布:九州(奄美大島),琉球.寄主植物:イスノキ.
- 2012-06-20
著者
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上田 達也
Entomological Laboratory The Graduate School Of Agriculture And Biological Sciences Osaka Prefecture
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上田 達也
Entomological Laboratory College Of Agriculture Osaka Prefecture University:(present Office)regional Environmental Planning Inc.
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