殺線虫剤が非標的生物である自活性線虫および微生物群集に及ぼす影響
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概要
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殺線虫剤の使用は日本および世界各国で規制されつつある。その理由の一つに,非標的生物に対する影響がある。現在使用されている殺線虫剤は,1,3-ジクロロプロペンやクロルピクリンなどの燻蒸剤と,ホスチアゼートやオキサミルなどの非燻蒸性の薬剤の2タイプに分けられる。燻蒸剤は選択性がないため,標的とする土壌病原菌や植物寄生性線虫だけでなく,標的外の生物にも影響を及ぼす。実際に,自活性線虫数線虫群集構造,菌数硝化能,硝化菌数バイオマス,有機物分解能,土壌酵素活性,群集構造といった,多くの微生物的要因に影響する。一方,非燻蒸性の薬剤は神経機能の阻害剤であるため,自活性線虫や土壌微生物群集に及ぼす影響は一般的には小さいと期待されるが,具体的な研究例はまだ少ない。本総説では,2タイプの殺線虫剤について,非標的生物に対する影響を中心に,これまでの研究例を紹介し,両タイプの薬剤の目的に応じた使い分けについて考察した。
- 2009-04-01
著者
-
豊田 剛己
東京農工大
-
豊田 剛己
東京農工大・base
-
豊田 剛己
東京農工大学大学院生物システム応用科学府
-
和田 さと子
東京農工大学大学院生物システム応用科学府
-
豊田 剛己
東京農工大 Base
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