CF-FMコウモリの移動標的に対するアクティブソナー戦略 : 飛翔蛾捕獲飛行時における超音波パルスの放射方向及び指向性計測

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概要

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本報告では,観測室内でマイクロホンアレイを用いた実験系により,飛翔蛾の捕獲飛行時におけるCF-FMコウモリの放射パルスの放射方向及び,指向性の計測を行った.Approach phase(標的距離>1m)において,ビーム幅は水平面約±20〜30°,垂直面約±10〜20°であったが,terminal phase(標的距離<1m)では,ビーム幅は最大で水平面,垂直面共に約±45°まで拡大させていた.Terminal phaseにおいて蛾は逃避飛行を行っており,コウモリはビーム幅を柔軟に拡大させて注耳する空間範囲を広げることで,蛾の急峻な動きに対応して位置把握を続ける戦略を持つ可能性が示唆された.また,人工音を用いて蛾のエコー計測を行ったところ,超音波の入射する角度によって蛾のエコー音圧に最大約20dBの差が生じた.さらに,2個体の蛾を提示した際,コウモリはエコー音圧の強い角度で飛翔している音響的に目立った標的を優先的に選択している可能性が示唆された.
2011-11-17

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