公共性の三つの位相と新しい参加としてのボランティア(<特集>ボランティア活動と「公共性」)
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概要
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1995年の「ボランティア元年」以来、日本ではボランティアの社会的位置づけをめぐってさまざまな議論が行われてきた。なぜならば、欧米のような文化的伝統を持たない日本において、ボランティアはさまざまな性格を持ち合わせているからである。このような多様な性格の中で、ボランティアを何らかの社会的エージェンシーとしてとらえる議論は社会学のみならず、経済学や教育学などの分野で盛んである。その多くが、「公共性」をキーワードにボランティアを特徴づけている。このような意味で、本稿も、その流れに沿ったものであるといえる。しかし、公共性とボランティアの関係を考える場合、それぞれが抱える多様性を確認しておく必要がある。なぜならば、多くの言説がこの多様性を看過しているがために、十分な議論ができてないからである。そこで本稿では、official、common、openという公共性から、openな公共性に注目している。なぜなら、この公共性はボランティアが持つ制度化を逃れる性質と合致しているからである。そして、このような公共性を切り開く可能性を秘めるボランティアを「新しい参加としてのボランティア」として位置づけることができるのである。
- 国際ボランティア学会の論文
- 2002-11-01
著者
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