排除と共生 : 座間味村のダイビング・ショップ問題
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概要
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本稿の目的は、ダイビング・スポットとして有名な座間味村のダイビング・ショップが抱える問題について分析・考察することにある。座間味村は、日本でも有名な「ケラマ」慶良間海域存在する。その問題とは、対外的な問題と対内的な問題の二つに分けられる。対外的な問題とは、沖縄本島から座間味村近海のダイビング・ポイントに利用するショップの問題である。この二つの問題が生じた背景や、その経緯を、資料やインタビュー・データから詳述し、分析を行う。対外的な問題では、沖縄本島のダイビング・ショップが慶良間海域に潜水する理由、1993年以降の座間味村側と沖縄本島側の交渉の経緯、慶良間自然環境保全会議の設立、エコツーリズム推進法の施行などについて記述する。こうして、「海は誰のものでもない」という立場に対して、座間味村のダイビング・ショップ側はダイビング・ポイントを保護することでその利用権が発生するという立場を強化していく。対内的な問題では、ダイビング協会設立後の新規加盟の制限と、それが原因となって非加盟独立ショップと「フリー」と呼ばれるショップに所属していないダイビング・ガイドが誕生した経緯を記述している。排除と共生という視点から、この二つの問題を考察し、現在の座間味村のダイビング・ショップが抱えている問題点を指摘し、提言を行っている。
- 2011-03-31
著者
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