K. Barths Gottesverstandnis und das Problem des Idealismus (2):Unter der besonderen Berucksichtigung der mittelplatonischen Ideenlehre und ihrer Wirkung auf die Gotteslehre der christlichen Theologie
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は,本紀要先号(第44号)にその前半部を掲載した論文, K. Barths Gottesverstandnis und das Problem des Idealismus. Unter der besonderen Beruecksichtigung der mittelplatonischen Ideenlehre und ihrer Wirkung auf die Gotetslehre der christlichen Theologie (「K.バルトの神理解とイデアリスムスの問題-とくに中期プラトン主義のイデア論及びその影響史を視野に入れて-」),の後半部である。また,1987年に発表した下記論文に二つの論文,Die Christlichkeit der dogmatischen Theologie K. Barths. Im Himblick auf Barths Kritik am Idealismus(本紀要39号,2003年,本紀要 §7)及び "Eigenart der Kritik K. Barths am Idealismus"が付加された。-バルトのイデアリスムス批判は,とくに「西方教会の父」たるアウグスティヌスに見られる,神学の人間学化に対する批判という問題構制によって展開される。アウグ.においてイデアは神の意志によって被造物の範型としてその精神内に措定されるという性格を持つが,アウグ.はこのイデアリスムス的性格をイスラエル以来の救済史によって克服する。トマスにおいても同様のイデア理解が継受されているが,トマスにおいては,さらにエッセのアナロギアという論理によって,このイデアリスムス的性格がキリスト教性へ向けて克服されている。拙論においては中期プラトン主義のイデア論を受容したキリスト教神学(論)を「哲学的神学」(philosophische Theologie)と特徴づけ, この神学のキリスト教的性格の根拠を問うた(§6)。さらにエルランゲンの教義史家K.バイシュラークが4世紀に至るまでのキリスト教思想の展開を二つの線,一方における啓示に集中した線(イグナティオス-エイレナイオス-アタナシオス)および他方におけるプラトン主義を代表とする世界観との弁証論的接触を内包した線(弁証論者-オリゲネス-カッパドキア教父)に区分・整理していることに注目し,バルトの神論は,前者に連なることを指摘した(§7)。最後に「神の言」の神学,啓示に集中した神学の特質を再認識し,そのイデアリスムス批判の本質を確認した(§8)。(紀要本号掲載の部分,§5-§6 は,国際基督教大学学報IVB「人文科学研究」(キリスト教と文化)21(1987年),所収の拙論,「キリスト教神論におけるヘブライズムとヘレニズム-K.バルトの神理解とイデアリスムスの問題」,の後半部分のドイツ語訳であり,ドイツ語訳のさい,一部を加筆修正した。§7は,本紀要39巻所収の拙論,Die Christlichkeit der dogmatischen Theologie K. Barths. Im Hinblick Barths Kritik am Idealismus に一部修正を加えたものであり,§8は,新たに付加したものである。)
- 茨城キリスト教大学の論文
著者
関連論文
- K.バルトのジェンダー理解:啓蒙主義からのキリスト教思想に対する問いかけとして
- 言述(ディスクルス)的思考とその合理性の問題(2) : K.バルトのCRおよびCDからKDへの転回を「言述(ディスクルス)的合理化(ラチオナリジールンク)」と解釈する試み
- K.バルトの教義的神学のキリスト教性 : そのイデアリスムス批判を考慮しつつ
- K.バルトの神理解とイデアリスムスの問題 -とくに中期プラトン主義のイデア論及びその影響史を視野に入れて-
- K.バルトのアンセルムス研究書(1931年夏)とKDI/1(1932年11月)--Caren Algner(2000;2004)の分析によるバルトの方法論書と教義学第1巻第1分冊との発展史的-内容的な連関について
- 有賀鐵太郎とカール・バルトにおけるEx.3,14f. : 有賀鐵太郎とカール・バルトの神学体系におけるEx.3,14f.の位置
- 言述(ディスクルス)的思考とその合理性の問題--K.バルトのCRおよびCDからKDへの転回を「言述(ディスクルス)的合理化(ラチオナリジールンク)」と解釈する試み
- 世界観と救済史(II/2)C.アンドレーセンのユスティノス解釈の意義と可能性について
- K.バルトにおける--学問史におけるその設問の妥当性と必然性を考慮しつつ
- K.バルトの神学思想の統一性について:バルト解釈の前提への問い--特にK.B.全集版の公刊を視野に入れて
- K.バルトにおける--学問史におけるその設問の妥当性と必然性を考慮しつつ
- K.バルトの〈教義学〉体系の構造について--スコラ学と建築様式の比較に関する文化史的考察を視野に入れて
- Zur Interpretation von Ex.3,14f.beim fruhen Barth--In seinen Unterrichtsstunden,Vortragen,Vorlesungen u.a.in der Vor-KD-Zeit(1909-1927)
- K.バルトにおけるEx.3,14f.理解--『教会教義学』及び後期著作における
- 世界観と救済史(II) : C.アンドレーセンのユスティノス解釈の意義と可能性について
- プラクシスとしての歴史認識 : K.バルトにおける歴史・文化・実践
- K. Barths Gottesverstandnis und das Problem des Idealismus (2):Unter der besonderen Berucksichtigung der mittelplatonischen Ideenlehre und ihrer Wirkung auf die Gotteslehre der christlichen Theologie
- ウォルフガンク・シャーデヴァルト デルポイの神と人間性の理念(1965年)-ギリシャ宗教史とヒューマニズム W.シャーデヴァルトの作品と業績-