ICTを活用した音楽学習の一考察 : 初等教育段階への実践を通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今次改定の小学校学習指導要領解説音楽編では、共通事項(1)のアで、音楽的な感受の能力の内容を具体的に示し、音楽の要素や仕組みについて気づき、感じ取ること、具体物の操作や言葉のやり取りを通して新たな考えをもつようにすることが求められている。このような音楽を通じて思考・判断する活動では、楽曲を聴き、その要素や仕組みについて聴きとらせ、根拠をもって価値判断をさせることや、要素や仕組みへの具体的な根拠をもった「気づき」等を通して、「思いや意図」をもった表現の活動へのつながりをもたせることが重要である。そのためには、音や音楽に含まれる要素や仕組みの特徴を楽譜や映像を通して「可視化」したり、他の要素と区別して聴き取らせたり、仕組みについて具体的に理解したりさせるような、教師の側の工夫が有効な手段となる。また、言語や具体物などの可視化した情報を使って学習者が意見交換し、新たな価値を見出したりすることの効果も大きいと考える。筆者らは、このような「活用型」の音楽学習では、音楽の要素や仕組みについて具体的に且つ視覚的に捉えることが容易となるICTによる授業支援の方策が有効ではないかと捉え、実践を試みた。その結果ICTによる支援が音楽の知覚・感受に効果的な役割を果たし、思考力・判断力・表現力を培う成果が見られることが明らかになった。
- 2011-02-28
著者
-
小林 田鶴子
名古屋女子大学文学部
-
時得 紀子
上越教育大学芸術・体育教育学系
-
小林 田鶴子
名古屋女子大学
-
時得 紀子
上越教育大学
-
時得 紀子
上越教育大学芸術系教育講座
-
内海 昭彦
新発田市立二葉小学校
関連論文
- 4G-5 総合的な学習の時間を支援するe-learning教材「光ワンダーランド」の開発と評価(eラーニング(2),一般セッション,コンピュータと人間社会)
- 総合表現活動のもたらすもの : 上越教育大学附属中学校「表現創造科」の実践から
- 思考力・判断力・表現力を高める活用型音楽学習の実践
- 保育者養成におけるピアノeラーニングに向けて : 学生が演奏映像を自主的に提出する試み
- I 音楽科と他教科との関わり
- 創作表現活動で培われる力を視座とした実践的研究--舞台制作過程と生徒への意識調査を基に
- 音楽科担当教員のためのポータルサイトの開発と運営
- プロジェクト研究D 「音を聴く」ことへのメディア活用の可能性について--バーチャルリアリティとネットワーク機能を使った小・中学校での実践を通して (〔日本音楽教育学会〕第33回大会)
- 音環境教育の実践 : 「音の出る地図」作成を中心として
- 「音の出る地図」の活用の可能性(1 新しい教材の導入,II 教材の働きと授業の展開)
- 総合表現活動のもたらすもの : 小・中学校における実践事例を通して(4 音楽学習における総合化へのアプローチ,IV 指導内容とカリキュラム)
- IV 総合的な学習における音楽表現は、教科学習の音楽表現をどう変えるのか
- Integrated arts curriculum for Japanese students and plans for future models : cultivating communication skills
- クロスカリキュラムを通した表現の可能性 : 英語の歌を教材とした創作活動を通じて
- 表現力を高める「音楽づくり」についての一考察
- 総合芸術的な表現活動のもたらすもの : 上越教育大学附属中学校10年の取り組みから(2 音楽学習における総合化へのアプローチ,IV 指導内容とカリキュラム)
- 3 米国公立小学校 : ある総合芸術の試み(海外教育事情)
- 総合的学習と表現教育 : 小学校における研究開発学校の実践を中心に
- 「創って表現する活動」から「音楽づくり」へ : 星野圭朗の実践をめぐって
- ICTを活用した音楽学習の一考察 : 初等教育段階への実践を通して