「創って表現する活動」から「音楽づくり」へ : 星野圭朗の実践をめぐって
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概要
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平成20年告示の小学校学習指導要領(以後「今次改定の指導要領」とする)の音楽の2内容 A表現の(3)では「音楽づくり」という言葉が出ている。現行の学習指導要領には「音楽をつくって表現」という言葉が示されていた。この2つの共通点は「つくる」という文言に示されるように、創造的な活動にある。一方相違点は、今次改定の指導要領の場合は現行の比べて「音楽」から出発するということより、「音」そのものに着目し、「音に気付く(聴く)」ということが重要視されているといえる。東京学芸大学付属竹早小学校で、長年音楽指導を行い、1970年代後半から「創って表現する音楽学習」を実践してきた星野圭朗は、当時から創造的な活動を実践しながら、その中で「音を聴く」ことを重要視していた。そして、そのことは1990年代に教鞭を執った山形大学教育学部での講義ノートにも示されている。本論では、星野の実践を、前述の講義ノートにも触れながら振り返ることによって、2つの指導要領の「音楽をつくって表現」から「音楽づくり」を貫く創造的な活動と、今次改定の指導要領に示されている「音に気付く(聴く)」ことについて考察した。その結果、星野の音楽教育観から、現代の音楽教育への様々な示唆が明らかになった。
- 2010-02-28
著者
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小林 田鶴子
名古屋女子大学文学部
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時得 紀子
上越教育大学芸術・体育教育学系
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小林 田鶴子
名古屋女子大学
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時得 紀子
上越教育大学
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時得 紀子
上越教育大学芸術系教育講座
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内海 昭彦
新発田市立二葉小学校
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