設置主体別にみる全国保健所でのボランティア活動の特性と今後の課題
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概要
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わが国の保健所等におけるボランティア受け入れの現状を調査し設置主体別の特色を明らかにすることで今後の支援への示唆を得たので報告する。調査は、都道府県の保健所および支所、政令指定都市中核都市、その他の指定都市、特別区の保健所および保健センターの999件を対象とし、有効回答590件(有効回答率59.1%)を分析対象とした。設置主体により都道府県型と政令市型に分類し、ボランティアを受け入れている施設と事業、ボランティアの特性、支援内容について分析を行った。ボランティアを受け入れている施設の内、都道府県型65.7%、政令市型34.3%であった。これは、都道府県型の79.1%、政令市型の86.3%である。前者には精神事業、難病事業に比較的小規模のボランティアが、後者には母子事業、成人・高齢者事業に比較的大きい規模のボランティアが関わっていた。支援内容は、政令市型が都道府県型より若干整備されているが、支援項目6項目中5項目は約3割の施設でしか行われていなかった。また、ボランティア研修を実施していない保健所が都道府県型で12.2%、政令市型で22.8%、ボランティア登録を保健所で行っている施設は前者29.2%、後者35.4%と低かった。今後、都道府県型では、精神、難病に対応できるボランティア支援の充実を、政令市型では多くの住民が参加できるボランティア支援の充実を図ることが急務と考えられる。保健所のボランティア活動が地域に根ざした活動となるよう保健所の機能を発揮することが期待される。
- 日本保健福祉学会の論文
- 2002-10-31
著者
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