非対称フィルタによるコーンビームDual-Energy CTに関する実装上の検討

概要

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Dual-Energy X線CT (DECT)は,物質の特徴に関する情報を提供でき,一つの投影ラインについて二回の測定を行う事で再構成が可能となる.山崎らは,ファンビームCTの場合において,その測定構造から一回転の測定中,一つの投影ラインについて必ず二回の測定が行われる性質を利用し,非対称フィルタを用いる実現方法を提案した.しかし,コーンビームCTでは管球回転面以外では同一投影ラインでの二回測定は満たされておらず,非対称フィルタが有効か否かについては不明であった.一方,O'Sullivanによる逐次型の統計的DE再構成法が知られているが,この方法では同一投影ライン上での二回の測定を必要としていない.我々は既に彼らの再構成原理に従い,これを非対称フィルタの場合に拡張する事で新しい方法を提案し,再構成可能である事を確認した.しかし,フィルタ形状に関して実用上の観点からの検討が不十分であった.本報告では,特に非対称形状の優位性とフィルタ設置精度に関して数値的な検討を行い,誤差収束速度の観点からフィルタ形状が非対称形状である事の優位性を示す.また,フィルタ設置精度については,原点近傍の局所低分解能化処理を導入する事を提案し,その効果を確認する.
2011-02-28