空中超音波を用いた人ターゲットの呼吸・心拍の非接触計測(音響・超音波サブソサイエティ合同研究会)

概要

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空中における音響センシングは周辺物体の位置,形状,材質,運動などのさまざまな情報を取得できる方法であると考えられている。現在,自律移動型ロボットの障害物探知などを目的として周囲環境センシング技術の研究,開発が広く行われているが,生活空間で空中音響センシングを利用する場合,人は非常に重要なターゲットであり,その生体情報や位置情報の取得が望まれている。本稿では,空中超音波を用いて,仰臥位状態の人ターゲットからの反射波の伝搬時間変化を評価することにより,人表面の微小振動を計測することについて検討したSN比を向上させるためにM系列によりキャリアを位相変調により生成したM系列信号を用いた。連続的に計測される反射波間の位相差情報を用いることにより,人表面の微小な振動が観測され,振動振幅およそ1.3mm,振動周波数およそ0.13Hzの呼吸による動きを確認した。さらに,被験者が呼吸をしていない状態では振動振幅およそ0.11mm,振動周波数およそ1Hzの心拍による動きが観測できることが明らかになった。
2011-01-13