当事者視点を基盤にしたソーシャルワーク援助に関する試論 : ハンセン病当事者のライフストーリーからの学びを通して
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概要
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本研究の目的は,ハンセン病当事者のライフストーリーからの学びを通して,当事者基盤に立ったソーシャルワーク援助の在り方について考察することである.筆者は2008年より,7名の当事者に対して,アトキンソンの「ライフストーリー・インタビューのガイドライン」,さらに桜井のライフストーリー・インタビューの「書き起こしと解釈・分析の手順」に準拠し聞き取り調査をおこなった.結果7名のライフストーリーのすべてにおいて,(1)健康自尊意識(HE)の境地,(2)「マスター・ナラティヴ」「モデルストーリー」「ニューストーリー」のダイナミクス,(3)各ストーリーの移行に際し,転機とみられるエピファニー体験,(4)健康自尊意識(HE)の要因として「ストレングス要因」「当事者文化の要因」が認められた.本稿ではその代表例としてFさんのライフストーリーをとりあげ,その考察から,「ポストモダニズム」,「社会構築主義」,「文化的コンピテンス」及び「ストレングス」視点にもとづいたソーシャルワーク援助の試論について提起する.
著者
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