書字や描画に困難をもつ一脳性麻痺児の認知特性の把握とそれに応じた指導の効果からみた地域支援のあり方
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概要
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本研究は、書字や描画に困難をきたしていた、脳質周囲白質軟化症による一脳性麻痺児を対象にした事例研究である。入学した小学校での指導にあたり、特別支援学校による地域支援と連携をとり、困難の原因について心理検査等によるアセスメントが行われた。その結果、児がもつ困難は、身体の麻痺によるものより、視知覚の困難からくる認知特性による影響が強いことが推測された。そこで、推測された認知特性に応じた指導を行った結果、1年後に実施したフロスティッグ視知覚発達検査では、「知覚と運動の協応」「図形と素地」「形の恒常性」の評価点の向上がみられた。また、書字についても、マスにバランスよく書けるようになるといった書字能力の向上がみられ、人物画についても、顔や全身の各パーツの把握やバランスについて同年齢の子どもと同じ水準で描けるようになった。これらの結果から、本事例が有していた書字や描画困難の原因、指導の効果、地域支援のあり方が検討された。
- 2010-09-30
著者
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