昭和基地マイクロパルスライダーによって観測された非地形性慣性重力波起源の南極極成層圏雲
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概要
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昭和基地に設置されたマイクロパルスライダー(MPL)により下部成層圏高度領域において極成層圏雲(PSC)が観測された.ラジオゾンデで観測されたPSCの出現高度における気温は氷の露点温度より約4度低く,提唱されている氷粒子生成温度とほぼ一致している.また,PSCの散乱強度は十分大きく,このPSCは氷粒子からなるType IIと分類された.観測されたPSCは温度の高度分布に対応し,温度極小高度を中心にして縞状に存在している.出現高度は時間とともに1日あたり〜 2 km降下している.温度極小は約4 kmの幅で4箇所存在し,それぞれの温度極小高度にPSCが現れている.ラジオゾンデで観測された風向風速の高度分布の解析から,この温度極小が非地形性の慣性重力波によることが示された.この種の重力波がPSCの生成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された.PSCの出現に必要な気温低下が地形に制限されないため,非地形性慣性重力波が南北両極上空のPSC粒子生成に広く寄与している可能性が示唆された.
- 2010-12-28
著者
-
小林 拓
山梨大
-
柴田 隆
名古屋大学環境学研究科地球環境科学専攻
-
佐藤 薫
東京大学大学院理学系研究科
-
矢吹 正教
東大宇宙線研
-
塩原 匡貴
国立極地研
-
小林 拓
山梨大学大学院医学工学総合研究部
-
小林 拓
山梨大学
-
塩原 匡貴
情報・システム研究機構 国立極地研究所
-
矢吹 正教
情報・システム研究機構 国立極地研究所
-
矢吹 正教
極地研
-
矢吹 正教
千葉大 CEReS
-
塩原 匡貴
気象庁気象研究所:(現)国立極地研究所
-
佐藤 薫
京大・理
-
柴田 隆
名古屋大学
-
塩原 匡貴
国立極地研究所
-
塩原 匡貴/矢吹
情報・システム研究機構国立極地研究所/情報・システム研究機構国立極地研究所/エナジシェアリング/富山大学大学院理工学研究部/山梨大学大学院医学工学総合研究部
-
柴田 隆/佐藤
名古屋大学大学院環境学研究科/東京大学大学院理学系研究科/山梨大学大学院医学工学総合研究部/情報・システム研究機構国立極地研究所/情報・システム研究機構国立極地研究所
-
小林 拓/平譯
山梨大学大学院医学工学総合研究部/北海道大学大学院水産科学研究院/情報・システム研究機構国立極地研究所/名古屋大学大学院環境学研究科/名古屋大学大学院環境学研究科/情報・システム研究機構国立極地研究所
-
小林 拓/原
山梨大学大学院医学工学総合研究部/情報・システム研究機構国立極地研究所/情報・システム研究機構国立極地研究所/情報・システム研究機構国立極地研究所/名古屋大学大学院環境学研究科/北海道大学大学院工学研
-
柴田 隆
名古屋大学大学院環境学研究科
-
塩原 匡貴
情報・システム研究機構国立極地研究所
-
小林 拓
山梨大学大学院
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