関節リウマチ患者における生物学的製剤無効例に対するタクロリムス併用療法と抑うつ状態

概要

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目的:関節リウマチ患者は健常人に比べ抑うつ状態が強い.これまで,生物学的製剤を使用することで,関節リウマチ患者の抑うつ状態が改善することを報告した.生物学的製剤が効果不十分な場合に行うtacrolimus併用療法によって抑うつ状態が改善するかどうか検討した.方法:生物学的製剤を使用した関節リウマチ患者9人,Tacrolimus併用療法開始前,開始14週後,30週後に抑うつ状態の評価としてSelf-rating Depression Scale(SDS),関節リウマチの疾患活動性の評価としてDAS28(ESR4),疼痛関節数,腫脹関節数,患者全般評価,QOLの評価としてmHAQを使用した.結果:(1)SDSは治療開始前:47.2±9.7,開始14週後:46.4±12.4,30週後:43.3±10.5(p=0.016)と有意に改善した.(2)DAS28(ESR4)は5.3±13→3.9±1.5→3.5±1.0と14,30週後でともに有意に改善した(P<0.001).mHAQは0.51±0.42→0.42±0.39→0.26±0.45と30週後で有意に改善した(p=0.043).結論:Tacrolimus併用療法は,関節リウマチ患者の抑うつ状態を直接的に改善するのではなく,関節リウマチの二次無効を改善することに付随して抑うつ状態を改善する可能性が考えられた.
2011-03-01