音楽スキルに応じた効果的な指導について(2)
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概要
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幼稚園教諭や保育士に必要なピアノ演奏を学生に習得させるには、両手で楽譜どおりに弾く技術だけではなく音楽表現を伴う演奏を求め、そのための具体的な指導が必要である。そこで、平成20年度入学生の中からピアノ演奏は初心者であるという学生を対象に、「ピアノ1・2」の授業で学生自身の演奏を録音した。その後、演奏を客観的に聴いて自己反省させ、アドバイスを与えることを試みた。自己の表現や技術を認識させることを目的とし、その後の練習過程に効果的に反映させていくことがねらいである。結果は、特に1.リズムやテンポの乱れ2.強弱の変化のなさ という具体的な技術や表現に率直に反応した。他の項目にも興味深い意見もあるが、自分が冷静に聴くことによって自己の演奏の問題や表現の乏しさに "気づいた"のである。後に具体的な指導をすると、表現は的確になり、各々の持つピアノ音楽に対する感性が目覚め、表現することを意識するようになった。その感性をどのような方法で育てていくのかはこれからも課題である。今回の試みでは、若干名の2年生の「ピアノ演奏法」受講者にも同じ指導を実施した。年月の違いは感性をより豊かにしているようである。自分の演奏状況を学生自身が客観的に聴くことがいかに重要であるかということが導かれた。
- 久留米信愛女学院短期大学の論文
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