学級担任教師のみる中学生期の特徴 : 学習成立のための基礎資料
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概要
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中学生期の発達は個人差が大きいと同時に,集団としても学年間の状況は起伏に富み,変化も激しく,学習指導や生活指導には常に工夫が求められている。しかし小学校に比較して中学校においては,学年別の発達的特徴を捕らえることなく,教育内容の決定や題材の配列がなされたり,指導の技法の工夫がなされている。即ち学年別の発達には関心が寄せられることは少なく,問題視されてこなかったように思われる。授業における生徒の発達的特徴と題材(教材)とのギャップは,教師の経験に基づく力量の範囲内で処理され,経験と勘によって学習指蝉がなされているのが実情であった。また時代的には過密な学習指導要領の内容をこなすことが第一に求められていたために,生徒側の心理的特徴や認知の程度などは無視した形の授業,とりわけ教師側の一方的な解説を中心とした授業展開が往々にして見られた。この事実が一つの原因となり,現場における学習不成立の状況が出現したと言っても過言ではない。本論文では現状改善の基礎的資料を得るために,中学校の学級担任教師を対象として,集団としての生徒の行動,心理,認知面を中心に調査を実施し,文献との比較を試みた。その結果,(1)教師のみる学年別特徴,それに付随して(2)中学生全体を青年前期(思春期)と一律に捕らえることは無理があるの2点が明確となった。
- 日本教科教育学会の論文
- 1995-06-30
著者
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