自由記述調査による教師と子どもの人間関係の分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今日学校の荒廃が問題視され,学校の人間化への努力が切に求められている。現場では「授業はうまい」,しかし子どもだちからは好かれていない,と見える教師は意外に多いように思われる。そして授業に熱心な教師が,必ずしも生徒たちと信頼関係にあるとは限らない現実がある。国際的に見ても日本の子どもの教師への信頼感は希薄であり,「好き」「尊敬している」とするものが極めて少なく,教師をマイナスに評価するものが多いと指摘されている。教師の教育的信念や教授上の知識や技術は,実践的指導力としての学習指導案や実際の授業展開などに於いて表現されるものであり,測定も可能のため研究対象としての関心も高い。しかしこれを基底で支える子どもから教師への信頼感や心情は,イメージであり,感情構造であって非常に主観的なため,客観化することが難しい。そのため学問的に体系化することには困難が伴い,教師間および研究者間でも問題意識化されていない傾向がある。本研究では教師と子どもの人間関係を自由記述法により調査分析した結果,子どもたちは「勉強のさせ方の上手さ」よりも「良い人間関係」と「性格の良い教師」を切望していることが明確となった。
- 日本教科教育学会の論文
- 1994-12-05
著者
関連論文
- 子どもに育成したいリテラシー : 家庭科教育の立場から(日本家庭科教育学会第46回大会(2003年度)シンポジウム)
- 家庭科再発見, 堀内かおる編著, 望月一枝・西岡正江・濱崎タマエ共著, 開隆堂, 2006年8月刊, 定価1,890円
- 学級担任教師のみる中学生期の特徴 : 学習成立のための基礎資料
- 子供の性格や行動上の特性による教師との人間関係
- 自由記述調査による教師と子どもの人間関係の分析
- 中学校における男女共学家庭科の達成度と今後の課題(2) : 中央と地方の格差について
- 中学校における男女共学家庭科の達成度と今後の課題(1) : 東京都公立中学校の実状調査から