障害者との共生をめざす家庭科教育に関する研究(第1報) : 障害者問題に関する現場実践の現状と教育効果
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概要
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本研究の目的は,健常者を対象とする家庭科教育において,障害と障害者に対する理解を促進する教育を実現することである。まず,本報では1982〜1991年度における家庭科教育関係雑誌に掲載された障害や障害者に関する授業実践内容を調査分析した。その結果,中学校・高校の保育領域などで授業実践が見られたが,障害の発生予防の見地だけで取り上げた場合が多く,障害者への理解の視点が不十分であった。次に,現状での教育効果を測定するため,高知県立M高校「家庭一般」のこの問題に関する授業後,2年生女子58人を対象にして質問紙調査を実施した。その結果は以下の通りであった。1.授業後,障害者を一生懸命に生きる対等な人たちだと受けとめた生徒が多いが,かわいそうや気の毒と捉えた生徒も約3割見られた。2.授業後,福祉政策への期待や共生の社会実現の必要性を認める生徒が8割を占め,身近な行勁を見直すなどの点で教育効果が確かめられた。
- 1993-11-30
著者
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