幼児の運動発達における動作協応の情報論的研究
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概要
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本研究は,幼児の運動発達を知覚系,中枢神経系,運動系,そしてフィードバック系の連鎖と相互作用の反映としてとらえ,その情報処理過程における組織化のレベルを明かにすることが目的である。実験結果は次のように要約される。1)タッピング動作における反応速度のx^^-は,20秒間で44.6回であった。また,左手と右手の反応速度は,正の相関(r=0.884)を示した。2)識別テストにおける正反応は,30秒間で,x^^-が7であり,SDは3.7であった。これより,5才児の段階ですでに識別する能力にかなりの差が生じていることを示している。3)両手協応動作においては,左手と右手の関係認識は,試行の初期に理解される。しかしながら,円図形への適応事態では左手と右手の協応動作の関係認識は困難であった。追跡所要時間と誤反応は,ともに減少の傾向が認められた。以上のことから,情報処理過程における組織化を目指す動作協応は,幼児の運動発達の視点として把えることができる。
- 日本教科教育学会の論文
- 1981-04-30
著者
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