新しい保険法について : 新契約・支払査定における実務対応 : 保険給付の履行期と告知義務(パネルディスカッション)
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概要
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新たに制定された保険法で,新契約・支払査定に関連の深い「保険給付の履行期」と「告知義務」の実務対応について調べました。履行期に関する約款では,「告反・免責等の確認が必要な場合」=45日以内であるという会社が生保47社中29社と最も多く,次いで60日以内が12社でした。最短の会社では25日以内となっていました。これらの定められた日数を超えると,年6%の商事法定利息で計算される遅延利息が発生します。また,弁護士法による照会や日本国外における調査など特別な照会や調査が必要な場合の項目数は,各社によって違いが存在し,5営業日以内で支払う通常案件と告反・免責等の確認が必要な場合の2項目を加えて,合計2項目から8項目までに分かれていました。自発的申告義務から質問応答義務に変更された「告知義務」では,保険者側が一番に整備すべき性質の書類である告知書面に改善すべき点がいくつか散見されました。具体的には,「脳動脈硬化症」「ノイローゼ」「妊娠中毒症」などの古い病名表現や,「網膜の病気」「甲状腺の病気」「精神病」といった曖昧な包括病名がいまだに使われている点です。また,これら限定列挙病名関連のあまり誉められない対応に加え,3つ以上の複数病名がある場合の詳細記入欄への記入方法が不明瞭となっている会社が存在する点です。告知書の質問事項は,保険法制定の趣旨に沿う明確で具体的な質問でなければならないでしょう。
- 2010-12-17
著者
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