「-方」表現の形成について
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概要
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本稿では、「走り方」や「愛され方」のような動詞の連用形が接辞「-方」により名詞化された表現(「方」表現)を語彙意味論と統語論の観点から議論する。具体的には、「-方」表現には「-方」の補部動詞の種類によって「様態」と「程度」の2つの解釈が生じることを概観し、こうした解釈の違いを説明するために「-方」が付加する動詞の語彙概念構造(LCS)にはACT ONやCONTROL、CAUSEのような上位事象が含まれていなければならないと提案する。また、統語構造において「-方」はNPの主要部Nでありそれがv(*)Pを補部に取る構造を持ち、v*が外項を持つ場合には「方」がv*と関連付けられて様態の解釈が生じる一方、vが外項を持たない場合にはそれが不活性となるためVと関連付けられて程度の解釈が生じると主張する。最後に、このように、LCSと統語構造を検討することにより「-方」表現に説明を与えることは影山(1993)で提案されている「モジュール形態論」の枠組みを支持すると示唆する。
著者
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