ハイパーサーミア用バードケージコイル内の磁界分布測定(ショートノート(卒論・修論発表会))

概要

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近年のがん治療は,生体への負荷を軽減するため,がん細胞を電磁波などにより加熱し,死滅もしくは縮小させるハイパーサーミアについて研究が行われている.がん治療におけるハイパーサーミアは,がん細胞に電磁波を吸収する被照射物を挿入し,外部より電磁波を照射することで,がん細胞を加熱する方法である.本研究では,より効率的なハイパーサーミアの技術を確立することを目的として,電磁波(RF)照射用コイルについて検討した.RF照射コイルとしては,MRIなどで用いられ強磁場を作ることができるバードケージコイルを用いた.バードケージコイルは,銅板によるインダクタンスと,銅板間に接続したキャパシタンスにより共振させるコイルである.本研究では,コンデンサの値を変化させた際の,コイルの入力インピーダンスと磁界強度の周波数特性を測定した.その結果,磁界は反共振周波数で最大となることが明らかとなった.また,コイル内のx,y,z方向の磁界は,H_xが最大となった.コイル内の磁界H_x分布は誤差3dB以内でほぼ一定であった.インピーダンス変換回路を付加することにより,入力インピーダンスの値を大きくすることができ,また磁界強度も5dB強くすることが可能となった.
2010-02-26