心の情報処理に学ぶ新たなVLSIシステムアーキテクチャ(若手研究会)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
集積回路技術の進歩によりコンピュータは驚異的な演算能力を獲得したが,人間が日常生活で何気なく行っている情報処理に対しては全く不得手である.たとえば,目前の状況を瞬時に判断して,即座に適切な行動をとるといった処理である.複雑で面倒な計算を正確無比に何の苦も無く実行できるが,我々にとって日常茶飯事の事柄を適切に処理することが難しい.我々の研究は,こういった人間特有の柔軟な情報処理を可能にする新たなコンピューティング・パラダイム実現を目指すものである.特に最先端の半導体技術を用いて,実時間応答のできるシステム構築を狙う.我々の心の働きを内省的に観察し,それをモデル化して専用のVLSIチップで実現する「心理学的脳モデルVLSIシステム」を提案している.その基本は,「連想原理」であり,過去に経験した類似の記憶を用いて認知を行うモデルである.この連想原理は,最もプリミティブな網膜レベルの処理から,連想・類推によって偉大な発明・発見を生み出す高次の処理に至るまで,脳のあらゆる階層における情報処理の基本であると考える.本論文では,視覚情報処理に関する我々の研究の概要を紹介する.
- 2009-12-07
著者
関連論文
- 心理学的脳モデルVLSIシステムによる柔軟な視覚情報処理(高機能イメージセンサとその応用)
- 静電駆動型大面積MEMSにおける消費電力
- 入力データの自己モデル生成を用いた隠れマルコフモデルの絶対評価スコアリング
- K-Means学習プロセッサシステムのためのマルチチップ・アーキテクチャ(システムLSIの応用と要素技術,専用プロセッサ,プロセッサ,DSP,画像処理技術及び一般)
- 画素差分情報の膨張処理を用いたアナログ動体検出VLSIシステム(システムLSIの応用と要素技術,専用プロセッサ,プロセッサ,DSP,画像処理技術及び一般)
- 連想プロセッサアーキテクチャに基づく逐次データソーティングVLSI(集積エレクトロニクス)
- 心の情報処理に学ぶVLSIブレインプロセッサ : 実時間画像認識を目指して(ニューロハードウェア,「ニューロハードウェア」及び「一般」)
- K-means VLSIプロセッサと画像の自己領域分化への応用(ニューロハードウェア,「ニューロハードウェア」及び「一般」)
- エッジ情報に基づいての自分の動きを検出するためのハードウェア・アルゴリズムの研究(ニューロハードウェア,「ニューロハードウェア」及び「一般」)
- ナノ開口・大開口のエッチングを可能とする輪郭描画法