伊勢湾・三河湾の海水交換に関する数値実験

概要

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伊勢湾・三河湾を対象海域として,潮汐の約70パーセントを占める主要4分潮全体を同時に扱う3次元順圧モードの潮流モデルを用いて,大潮から次の大潮までの約15日間の潮流場を求めた.その結果を基に,オイラー・ラグランジュの標識粒子追跡法によって海水の動きを追跡し,伊勢湾・三河湾の潮流による海水交換量を定量化した.その結果,伊勢湾と外洋の交換では,外洋からの流入は主に湾口部の東側の海域(伊良湖水道)を通して行われ,伊勢湾からの流出は西側の海域から行われていることを見出した.また伊勢湾と三河湾では,伊勢湾から三河湾への流入と三河湾から伊勢湾への流入は,それぞれ北側の海域(師岬水道)と南側の海域(中山水道)の両海域を通して行われていることが分かった.研究対象とした15日間における海水の交換量は,外洋と伊勢湾間では5.49×10^9(m^3/15 day),伊勢湾と三河湾間では6.86×10^8(m^3/15 day),外洋と三河湾では9.60×10^7(m^3/15 day)であった.すなわち伊勢湾の海水交換は,外洋との海水交換が9割を占めるのに対し,三河湾との海水交換は1割程度であると見積もられた.
日本海洋学会の論文
2007-02-28