討論:生態系修復としての人工海浜造成の問題点(シンポジウム:海域エコテクノロジーの現状と将来課題)
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概要
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海岸の埋め立てや護岸化による海岸環境悪化に対する環境修復手段として,人工海浜あるいは人工干潟の造成が検討されている.造成技術に対しては主に工学系の研究者の関心が高いが,生態学あるいは環境科学などの自然科学系研究者の関心は低い.その原因は,現在の造成計画が将来の開発に伴う海岸部の消失による海洋環境悪化に対する軽減策であることが多く,これまでの開発により劣化した環境の修復を念頭におく自然科学系研究者との動機面での不一致があるためだろう。これまでの開発により海岸環境は著しく劣化しており,人工海浜造成による海岸環境修復の必要性は高い.この海浜造成にあたっては,種多様性保全,底質の安定性,ならびに経費からみて河口部や閉鎖性の強い海岸部が合理的立地条件をそろえている.また海浜は自然環境的にも人間の生活との関係においても地域特性があり,その特性を考慮すべきである.
- 日本海洋学会の論文
- 1996-02-29
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