浜田沖の底部冷水と対馬暖流の流動構造
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概要
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対馬暖流の分枝流の一つは南西日本海の日本沿岸に沿って存在し,地形性β効果によって海底斜面に制御された定常流である。我々は浜田沖の大陸棚を対象海域とし,成層期である1988年8月5日・10月31日,非成層期である1989年1月30日・3月27日の計年四回のSTD及びADCP観測を行った。浜田沖の底部冷水の存在は一年中認められ,成層期にその低温化の傾向は強くなることがわかった。日本沿岸に沿った対馬暖流はこの底部冷水の存在領域によく対応し,二分枝化の傾向を示している。すなわち,第一分枝流は底部冷水の南限から沿岸域にかけて存在するほぼ順圧的な流動構造を持っている。一方,第二分枝流は陸棚縁上に位置し,傾圧的な流動構造を持っている。特に注目すべき流動構造の特徴は,これら両分枝流の間に下層の底部冷水に近づくほど顕著な反流域が存在している点である。
- 日本海洋学会の論文
- 1990-08-31
著者
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