オーストラリアの職安改革 : 市場的機能の役割と準市場の構築
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概要
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オーストラリアにおいては, 職業紹介や求職支援等の雇用関連サービスについて, 従来の公共職業安定所 (PES) による独占的供給に替わる 「購入者と供給者の分離」 が過去 10 年間に亘って実施されてきた. これは, 雇用関連サービスの公平性を保つ一方で, 効果と効率性向上を目的とした改革であり, 市場型機能 (MTM) の導入により雇用関連サービスの準市場 (Quasi-Market) を構築しようとするものである. PES 改革の事後評価結果から, 雇用関連サービスの効果が向上したとは断定できないが, 費用の大幅な削減により効率性が著しく向上したことが確認できる. 準市場の構築においては, サービスの価格と質のトレード・オフ関係の改善, 競争可能性の確保, 公平性の確保といった解決すべき課題が残されている.
- 日本福祉大学の論文
- 2009-03-31
著者
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