Rapid expansion とdifferential force を用いて治療した骨格性下顎前突症例
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概要
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抄録:本症例は22歳7カ月の男性で,受け口と頬側粘膜を時々咬むことを主訴として来院した.Overjet は-8.6mm,overbite は+1.6mm で上下顎ともに強度の狭窄歯列弓でtotal cross bite を呈していた.側面頭部エックス線規格写真所見では,下顎骨過成長による骨格性3級で下顎角が開大し,上顎前歯部に強度の叢生(arch length discrepancy-16.8mm)と下顎切歯の舌側傾斜を伴った叢生(arch length discrepancy-9.6mm)を認めた.外科的矯正治療の適応症と考えられる症例であったが,外科的矯正治療を避けたいという患者の要望があったため,非外科的治療を行った.上顎はRapid expansion にて7.5mm 側方拡大後,differential force の概念の基にhelical loop 付きdifferential arch にて前方拡大しつつ,Class III elastic でoverjet を改善した.動的治療期間は2年8カ月であった.保定は上顎にリンガルアーチと下顎にスプリングリテーナーを用い3年以上経過しているが,予後は良好である.
- 2010-10-20
著者
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