金属溶射被膜による防蟻処理(第2報) : 土壌表面に溶射した亜鉛被膜の防蟻性に関する室内実験(化学物質)
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概要
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亜鉛溶射被膜で建物床下の土壌表面を被覆して地中からのシロアリの侵入を防止する防蟻工法とその防蟻性を検討する目的で,砂質土の表面に溶射した亜鉛被膜をイエシロアリが食害,貫通するかどうかの室内実験を行った。実験結果を要約するとつぎのとおりである。(1)砂質土の表面に溶射した亜鉛被膜(厚さ50〜70が)について,イエシロアリの職蟻150匹と兵蟻10匹を用いて水だけで餌をまったく与えない苛酷な条件下で防蟻性実験を行った結果,無処理区では2〜4日後に砂質土層と表面の石膏薄層を貫通穿孔したが,亜鉛溶射区では約1か月かけてもまったく貫通穿孔されず,供試虫は衰弱あるいは死亡し,亜鉛溶射被膜は防蟻性が高いことが明らかとなった。したがって,実際の建物に施工した場合,防蟻上,きわめて有効であると考察される。(2)土壌表面に金属溶射を施すにあたっては,溶射時の噴射圧で表面の土砂が飛散するのを防ぐ処理を施す必要があるが,その一方法として,本実験で用いた石膏による土壌表面固化法は施エが簡易で,有効であることが明らかとなった。また,ガラスやプラスチックなどのように表面が滑らかで金属が溶着しにくい材料表面にはあらかじめブラスノン処理を施しておくことが望ましい。
- 日本家屋害虫学会の論文
- 1989-10-25
著者
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