Aletia属(鱗翅目・ヤガ科)の1新種
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概要
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Aletia brunneicoccineaはCALORA(1966)によりフィリピンより記載された.本種の種名は二つのラテン語,brunneus(茶色),coccineus(赤)を結び付けたもので,成虫の前翅は文字通り赤褐色をしている.フィリピンからは赤褐色の前翅を持つキヨトウ類(Leucania-complex)としては,この他にLeucania leucospila(HAMPSON)と、Pseudaletia albicosta(MOORE)(マエジロアカフキョトウ;日本では屋久島と奄美大島より記録がある)が知られる.ところが著者は最近,brunneicoccineaに近縁な赤褐色の前翅を持つ1新種(A. liebherri sp. nov.)をフィリピンより見出したので記載を行った.またbrunneicoccineaの雌雄交尾器を図示し,再記載を行った.なお本論文で使用した標本は全て大和田守博士と黒澤良彦博士の採集品である.両種の差異は以下の通りである,A.liebherriの前翅はより淡色で,開張は大きい.雄交尾器ではliebherriのcornutiはより長い.両種の雌交尾器にはほとんど差がない.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1991-10-15
著者
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吉松 慎一
Natural Resources Inventory Center National Institute For Agro-environmental Sciences
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吉松 慎一
Laboratory of Insect Systematics, National Institute of Agro-Environmental Sciences
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