パプアニューギニア産の目立つ前翅斑紋を備えたキヨトウMythimna属(鱗翅目,ヤガ科,ヨトウガ亜科)の1新種

概要

論文の詳細を見る
ハワイのホノルルにあるビショップ博物館(Berince P.Bishop Museum)のS.E.Miller博士のご厚意で当博物館所蔵のキヨトウの標本を借用することが出来た.当博物館には,ハワイから琉球,台湾,フィリピン,ニューギニア,ニューカレドニアに至る太平洋上の多くの諸島の標本が所蔵されている.キヨトウは一般に前翅は一様な淡黄褐色で,斑紋もほとんど目立だない.ところが,ビショップ博物館所蔵標本の中に他のキヨトウとは外見が相当に異なるニューギニア産の1種を見い出したので,ここで新種Mythimna(Mythimna)leucomelaena sp.nov.(Fig.2)として記載した.本種は白色の地色の前翅に黒褐色で顕著に太い内横線と外横線を備える.雄2個体に基づいて記載したが,雌は現時点では知られていない.類似種としては,中国のLi-kiangから記載されたHyssia tessellum Draudt,1950 (Fig.1)が1種知られるのみである.本種は後にBoursin(1967)によってMythimna属に移された.本種はM.leucomelaena sp.nov.同様白色の前翅に黒褐色で顕著に太い内横線と外横線を備えるが,さらに内横線上部から外横線を突き抜け前翅外縁にまで届く太い黒褐色の条線を備えることで外見的に容易に識別できる.本論文で記載した新種は雄交尾器のcucullus上には外縁の列状の短いcoronaと後半部の比較的長いcoronaを備え,大部分のキヨトウに見られる左右のvalvaを連結させる球状の硬化部が無い(Fig.4).Mythimna tessellumでは外縁の列状のcoronaはなくcucullus後半部にcoronaを広く備え,また,cucullus背方に2個の突起を持つ(Fig.3).
2003-01-10

パプアニューギニア産の目立つ前翅斑紋を備えたキヨトウMythimna属(鱗翅目,ヤガ科,ヨトウガ亜科)の1新種

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク