「留学生30万人計画」の実現可能性をめぐる一考察
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概要
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本稿は留学生30万人計画の達成が現状では困難であることを明らかにすることを目的とし、留学生10万人計画の達成の経緯、及び留学生の就職に係る統計資料や各種調査をレビューしたものである。9万人の留学生を増やすのに20年かかった10万人計画は入国管理の大幅な規制緩和と中国・韓国の経済発展に伴う私費留学生の増加によるものであった。大学を卒業した留学生のうち国内就職できた者は約3割で、そのほとんどは小企業に就職している。一企業あたりの元留学生社員は若干名に過ぎず、留学生の採用実績のある企業は20年前から1割程度のままである。指導教授・知人からの推薦や紹介で採用に至った留学生が多い一方、大学側は日本人学生と同様の支援か情報提供など消極的な支援しかしていない。以上のことから、現状では入管にも企業にも大学にも30万人の留学生の受入れに対する主体性の無さが窺われ、2020年までの本計画の実現可能性は低いと言える。以上を踏まえ、30万人計画実現のために、今後必要と考えられる取り組みについて検討する。
- 2010-02-28
著者
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