助産師が行う非侵襲的観察による分娩進行に関する判断

概要

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本研究は,分娩第1期進行中に産婦が発する言語的・非言語的サインや産婦の身体の観察,すなわち内診以外の助産師の非侵襲的観察から分娩進行の時期を示す指標を明らかにすることが目的である。対象は,医療施設に勤務する助産師41名である。データ収集は,分娩第1期の進行状態を判断する内容について,半構成的インタビューを行った。対象者41名の平均年齢は35.9±11.2歳(23〜60歳),助産師経験年数は11.2±11.2年(0〜37年)であった。抽出できた要素は470件であり,準備期6件(1.3%),進行期176件(37.4%),極期288件(61.3%)であり,特徴として以下の10項目が抽出された。『会話の成立』『間欠時の身体のこわばり』『呼吸のあらさ』『食事や水分を摂る量の減少』『嘔気・嘔吐の出現』『間欠時の眠り』『突然汗をかきはじめる』『ドロッとしたかなりの量の血性分泌物』『児心音聴取部位や痛みの部位が下ってくる』『おしりへの圧迫感』であった。また,分娩が進行すると産婦との会話は減少するが,かわりに産婦の身体から発せられるサインは増加する。進行期では産婦の言葉による反応があり,言語を介した助産師との双方向性は継続している。しかし,極期になると,助産師は産婦が発するサインをキャッチし,すなわち,観る,触れる,聴くなどの観察をとおして,助産師は産婦のそれらの現象に働きかけることで分娩進行状態を判断していると考えられた。

助産師が行う非侵襲的観察による分娩進行に関する判断

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