南大洋における降雪の酸素安定同位体比の緯度分布と季節変化
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概要
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降雪の酸素安定同位体比(δ^<18>O)の緯度分布と季節変化の存在はよく知られているが,極域海洋上での降雪のδ^<18>O の報告はほとんどない.本研究では,南大洋高緯度域において,夏季と冬季の4つの現場海洋観測の機会を利用し,船上に降った雪を採取し分析した.また,通年のデータとして,2008年における昭和基地での降雪のサンプルを分析した.これらに基づいて,南大洋上の降雪のδ^<18>O の緯度分布と季節変化について考察する.全般に高緯度ほど低く,また夏季より冬季の方が低いδ^<18>O の分布が得られた.また,緯度変化の傾きは冬季の方が強い.夏季および冬季のδ^<18>O は,60°Sにおいて-5.4‰と-11.3‰であるのに対し,66°Sにおいて-10.5‰と-20.8‰であった.これらの結果は,南極海での塩分分布やその変化のメカニズムを解明する上での手助けになると考えられる.
- 2010-07-30
著者
-
中村 佳代
北海道大学低温科学研究所
-
青木 茂
北海道大学低温科学研究所
-
豊田 威信
北海道大学低温科学研究所
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青山 雄一
情報・システム研究機構国立極地研究所
-
豊田 威信
北海道大学
-
豊田 威信
北大低温研
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