東南アジア諸国の環境問題の現状 : 水質問題(シンポジウム:沿岸海洋環境問題の新たな局面)
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概要
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東南アジア諸国の沿岸海洋環境問題の現状を重金属汚染を中心に概観した.また重金属と栄養塩に関するインターキャリブレーションの結果をもとに,沿岸海洋環境の調査・研究上の問題点に言及した.重金属については堆積物の分析結果からマニラ湾,ジャカルタ湾,マラッカ海峡等で人為的な汚染が確認されているが,全般的に信頼できるデータが少なく,汚染の状態を数値として正確に把握できる段階には至っていない.有機塩素系農薬やPCBは広範に検出されるが,魚介類では安全基準値以下である.未処理の生活排水や都市下水の流入による有機汚濁と富栄養化の問題は,病原菌の流入とともにさらに深刻化しつつある.またエビ養殖等で使用される薬剤も新たな汚染物質として注目される.栄養塩のインターキャリブレーションの結果は,調査・研究における環境物質の化学分析に問題が多くあることを示した.今後改善が必要であり,日本の海洋研究者の貢献が期待される.
- 日本海洋学会の論文
- 1995-02-28
著者
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