P2M方法論開発の省察と創造的統合の側面 : 洞察力と知識融合による実践貢献

概要

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プロジェクトマネジメント(PM)では、主に技術システム構築が対象とされる「目標管理型」方法論が採用されている。これに対し、日本版プロジェクト・プログラムマネジメント(P2M)では、社会・経営システムにも拡張適用が意図され、「使命管理型」方法論が強調される。PMに対する見解は、安定環境における良構造システムを前提にしているが、対照的にP2Mに対する見解は、不安定環境に管理対応可能な悪構造型システムに挑戦している。この見解が反映され、P2Mでは洞察力、分析力、統合力が注目され、学理と方法論の整合が配慮されている。P2M独自の「使命起動接近」は、事業構想の源泉となる価値創造発想であり、その全体像は「アブダクション」の学理推論に支援される。さらにイノベーション問題に対応するために「複雑系」の方法論が導入され、使命の構造化にモデリングとして組み込まれている。2008年に発生した金融危機では、経営者によるパラダイムシフトも反映できる本社とプログラムの境界に柔軟な協議制度を導入し、高度の不確実性環境にも対応できる「創造的統合管理」による補強が必要になる。
2009-10-30