大学生の親準備性に関する研究
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概要
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大学生(N=163)を対象に、「親性準備性尺度」(佐々木, 2000)を用いて、ボランティア活動などによる子育ての体験と親準備性との関連について検討した。その結果、子育て体験を持つ学生(N=35)は、そのような体験を持たない学生(N=128)より、高い親準備性をもっていることが認められた。特に、子育て体験は「乳幼児への好意感情」と関係していた。また、子育て体験のある学生は、そのような体験のない学生より、「親になるイメージ」を明確に持っている傾向があった。しかし、子育て体験と「育児への積極性」との関係は認められなかった。さらに、親準備性の性差について検討した結果、女性(N=128)は男性(N=27)より「乳幼児への好意感情」が高く、また「育児への積極性」が高い傾向になった。しかし、「親になるイメージ」については性差が認められなかった。このような結果は、子育てを学習する場が日常生活の中から失われつつある今日、ボランティア活動などを通して子育てを経験することが、これから親になる若い世代にとって極めて重要であることを示唆している。学生など、若い世代に対する意識啓発と共に、地域の中で子育てを体験できる機会や場を増やしていく必要がある。
- 2010-03-05
著者
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