宮崎公立大学「ボランティア論」の評価に関する研究
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概要
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本論は、宮崎公立大学におけるキャリア教育プログラムの一科目として2005年度から開講された「ボランティア論」について評価するものである。「ボランティア論」の目的は「現代社会のさまざまな課題に触れることを通して、視野を広げ、社会の一員であることを自覚するとともに、大学での勉強の目的を見つけること」であり、この目的を達成するため、COCOMOシステムを導入して、ボランティア情報を提供したり、サービス・ラーニングの教育理念と方法を取り入れて、担当教員が積極的に学生の活動に関与し、助言を与えたりしてきた。その結果、1学年の25%にあたる学生が地域でのボランティア活動に従事した。また、受講生は、ボランティア活動を通して、社会の問題や課題に対して関心を持ち、積極的に取り組みたいと考えるようになっていた。しかし、サービス・ラーニングに結びつくような活動を行った学生は必ずしも多くなく、また、「ボランティア論」の受講は、大学での学びへの関心に結びついてはいなかった。今後は、学生のボランティア活動への関心、社会問題への関心を具体的な行動につなげるための方策を検討し、ボランティアに関する情報提供の方法や、学生の活動報告へのコメントなどを工夫して、学生が大学での学びとボランティア活動とを結びつけるように働きかける必要がある。ボランティア活動を経験しながら、社会の課題に触れ、大学での勉強の目的を見つけることのできる機会は貴重であり、キャリア教育プログラムとしての「ボランティア論」は現在のような形で継続されることが望ましい。その一方で、本格的にサービス・ラーニングを導入するには、専門演習の学習方法の一部として取り入れることを検討するべきであろう。
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