乳幼児突然死症候群に関連する裁判事例の国際比較 : 日本・アメリカ・イギリス・カナダの比較
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概要
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日本のSIDS訴訟は,児の実父母を原告とし,病院や保育関係施設を被告とし,乳幼児突然死症候群(SIDS)かうつぶせ寝による窒息かを争点とする事例が多く,SIDSか虐待かを争点とするアメリカのSIDS訴訟と比較して,このような傾向は日本に特異的なのではないかと指摘されてきた.外国判例データベースから,カナダ・イギリスの判例について,SIDSをキーワードとしてSIDS関連訴訟判例を抽出して検討したところ,日本のSIDS訴訟と類似の事例としては,実父母を原告として病院や医療機関を被告とした裁判例がカナダにおける民事裁判例として1例,イギリスにおける刑事および民事裁判例として各1例ずつあったが,この中で訴訟の争点がSIDSか窒息かにあるものはみあたらず,実父母を原告として保育関係施設を被告とする裁判例はなかった. SIDSか窒息かを訴訟の争点とする裁判例はカナダの刑事裁判例で3例,イギリスにおける刑事および民事裁判例で各1例ずつあった.イギリスおよびカナダにおいては,SIDS関連の民事訴訟例の訴訟内容は多彩で日本にみられないものが多く,SIDSか虐待かを争点とする裁判例の多くでは骨折や頭蓋内出血等明らかな虐待所見を有するものが多かった.SIDSの主張が裁判においてなされると,被告側に有利に働く点では日本と同様な傾向が認められた.
- 東京女子医科大学の論文
著者
-
伊東 忍
東女医大・法医
-
澤口 聡子
東京女子医科大学医学部法医学教室
-
王 秀玲
東京女子医科大学法医学教室
-
澤口 聡子
東女医大・法医
-
沢口 聡子
東京女医大 医 法医学
-
沢口 聡子
東京女子医科大学 法医
-
王 秀玲
東京女子医科大学医学部法医学教室
-
森 友久
東京女子医科大学医学部法医学
-
伊東 忍
東京女子医科大学医学部法医学
-
森 友久
東女医大・法医
-
澤口 聡子
東京女子医科大学 医学部法医学教室
-
澤口 彰子
Department Of Legal Medicine Tokyo Women's Medical University School Of Medicine
-
王 秀玲
東京女子医科大学
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