ゲノム解析の医学的問題点 : 法医学との接点(遺伝医学の最近の進歩,シンポジウム)
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概要
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DNAをゲノムという視点で捕らえる時,「多様性」という問題がみえてくる.法医学のゲノム解析において,その多様性は,DNA多型解析という形で具体化されている.DNA多型は,鎖長多型と配列多型に大別され,前者の解析における問題点の多くはその方法(southern blottingやpolymerase chain reaction(PCR)に関連する手法)上のものである.例えば,ミニサテライトのPCRで,アリルフェイドアウトやアリルドロップアウトによって,2本のアリルの識別が難しいことがある.このような場合には,遺伝子型は実際にはヘテロ接合であるにもかかわらず,PCRの結果,ホモ接合とし認識されることになる.配列多型の解析上の問題点としては,表現型と遺伝子型の不一致,de novo mutation, heteroplasmyがあげられる.表現型と遺伝子型の不一致は,MN型やRh型で見出されている.de novo mutationやheteroplasmyを確証するには,塩基配列解析が必要とされる.本報告では,これらの事項を中心として,法医学の観点から,ゲノム解析の医学的問題点を述べる.
- 東京女子医科大学の論文
- 1998-05-25
著者
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