A病院の看護方式における看護師の職務満足度と患者満足度に関する研究
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概要
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本研究はA病院において、固定チームナーシングを導入するために、現状の看護師の職務満足度と患者のケアに対する満足度を明らかにすることを目的とした。調査は同意を得られた看護師67名、患者34名を対象とした。質問紙は独自に作成し、看護師に対して34項目、患者に対して16項目で5段階評価で回答を求めた。結果は、「現在の看護方式に満足している」と回答した看護師は12%であった。最高点項目は「看護に対する責任を持ちながら患者に関わっている」で、最低点項目は「ベッドサイドケアに十分な時間をかけてできている」であった。患者は全体に満足度は低く、平均値は全ての項目が5点中2点以下であった。特に「この病院の看護師は身だしなみが良い」や「医師-看護師間の連絡は行き届いている」などが満足度の低い項目であった。これらの結果から現状の看護方式では、個別性を重視したケアを実践することは難しく、患者満足度が低いという結果をもたらしていることが確認できた。看護師の職務満足度および患者の満足度を高めるためには、患者のニードを効果的に満たし、ケアの継続性が保証できる、新たな看護方式の導入を検討する必要性が示唆された。
- 2009-02-27
著者
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清水 裕子
ケアホームこかげ保健師
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渡辺 みどり
長野県看護大学
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渡辺 みどり
長野県看護大学看護学部老年看護学講座
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白鳥 さつき
山梨県立大学
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白鳥 さつき
山梨県立大学看護学部看護管理学領域
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松下 まゆみ
山梨県立大学看護学部看護管理学領域
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