気管吸引における看護実践の実態 : 気管挿管と気管切開における手技の相違に焦点をあてて
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概要
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気管吸引は看護技術の中でもリスクを伴う技術であり、ガイドラインが提唱されているが、人工気道の差異による詳細までは明らかになっていない。本研究は、内外の気管吸引ガイドラインを元に、人工気道の差異における気管吸引技術の特徴を明らかにすることを目的としている。調査の対象は、近畿圏内における300床以上の病院を対象に実施した気管吸引技術の実態調査より、看護師873名を分析対象とした。調査内容は、気管吸引前、吸引実施、吸引後のアセスメントと実践方法とした。その結果、気管挿入と気管切開の両者ともに、ガイドラインが示すアセスメント指標のおよそ半数しか、アセスメント指標として用いていないことが明らかになった。吸引後の指標については、気管挿管の方が「呼吸数・呼吸様式・胸郭の動き」「循環動態」などの指標を用いている割合が有意に高かった。気管挿管患者の気管吸引では、より慎重なアセスメントを要することが示唆されたが、看護師は人工気道の差異なく、ガイドラインに基づいた気管吸引の実践を遵守する必要があると考える。
- 2009-12-08
著者
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前田 勇子
甲南女子大学看護リハビリテーション学部
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中岡 亜希子
千里金蘭大学看護学部看護学科
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前田 勇子
甲南女子大学 看護リハビリテーション学部
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安森 由美
甲南女子大学看護リハビリテーション学部
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中岡 亜希子
千里金蘭大学看護学部
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