術後痛の看護ケアに関する研究 : ケア実施状況と外科経験年数による差の検討
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概要
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術後痛に対して適切な看護ケアを提供することは,術後患者のQOLを高めることにつながる。本研究の目的は,周手術期の一連の流れにおける術後痛の看護ケアの実施状況を明らかにすることである。方法として,外科病棟に勤務する看護師128名に質問紙調査を実施し,術後痛に関わる24項目の看護ケアの実施状況とそれらがどのような要因によって差がみられるかを検討した。その結果,116名から有効回答が得られた。『術前の情報提供』では,「遠慮せずに痛みを伝える」「鎮痛薬の種類,投与方法」をほとんどの看護師が説明していた。『痛みのアセスメント』では,痛みの部位を患者に尋ねる看護獅が多く,外科経験年数によって「動きによる痛みの程度」を尋ねるかどうかに差がみられ,10年以上の看護師は他の経験年数の看護師よりあまり尋ねていなかった(p<0.01)。『術後痛への対応』では,ほとんどの看護師がそれまでの痛みや処置の状況を把握するように努めていた。しかしながら,患者の痛みの訴えを重要視する,患者が満足するまで援助すると答えた看護師は全体の半数以下であった。患者が痛みや鎮痛の希望を訴えやすくすることが重要であり,そのためには術前からの継続的な関わりが必要であることが示唆された。
著者
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