多雪地帯のスギ人工林皆伐跡地において標高の違いが木本種の定着に与える影響
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概要
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日本海側の多雪地帯の異なる標高域で,スギ人工林の皆伐跡地(0.33〜1.87ha)で再生した木本種の種数,立木密度および種構成を隣接スギ人工林および周辺広葉樹林と比較した。種数および立木密度は,高標高域の一部を除いてスギ人工林およびその皆伐地でよりも広葉樹林で多くなる傾向があった。低標高域の皆伐地では,いくつかの埋土種子由来の樹種が高密度でしかも高頻度に出現した。一方,高標高域では皆伐地で種数や立木密度は減少する傾向があったものの,広葉樹林に共通した樹種がスギ人工林に多く出現した。高標高域のスギ人工林は,豪雪よって若齢時から成林阻害を受けている。それによって,人工林内で更新しやすい光環境が創られていると考えられた。種子散布型からみた種数は,スギ人工林ではどの散布型も標高とともに増加する傾向にあった。しかしながら,皆伐地では低標高域ほど被食散布型に偏り,高標高域ではスギ人工林に比べて被食散布型および風散布型が減少した。前生稚樹を生かした速やかな植生回復のためには高標高域の方が有利と考えられるが,攪乱強度の弱い伐採や集材方法を選択することでさらに多様な種構成を維持できると考えられた。
- 2009-06-25
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