複数地点観測信号に基づく他地点伝搬路特性の推定
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概要
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無線通信は、屋外、オフィス、家庭、など、さまざまな環境に普及し、用いられている。無線通信が一般化するに伴い、無線のセキュリティ問題が最も重要な技術課題の一つとなっている。安全な通信の実現を目的として、無線伝搬路特性に基づく新しい無線セキュリティ技術が提案されている。この方法は、無線伝搬路特性の可逆性と場所依存性に基づいて、二つの無線局間で、秘密暗号鍵の事前割当や共有を行うことなしに両局で鍵を共有可能とするものである。この技術のセキュリティ性能については、暗号技術の観点からは分析がなされてきた。しかしながら、無線伝搬の観点からはなされていない。この技術のセキュリティは、推定対象局からマルチパスフェージングの相関距離よりも離れた地点からは、推定対象局の受信信号が推定不可能である、という原理に依る。しかしながら、もし盗聴局が正規無線局よりもより高性能な受信システム、たとえば指向性アンテナや複数アンテナシステムなど、を用いたとすると盗聴は可能かもしれない。したがって、本論文では、この場所依存性を破ることの可能性、つまり、マルチパスフェージング環境において離れた地点から受信信号を推定すること、について議論する。推定対象局からある距離離れた位置に複数の異なる地点を考え、そこで受信される信号に基づいて受信信号特性を推定することが可能であるか試みる。さらに、この方法の推定特性を計算機シミュレーションにより定量的に評価する。また、観測地点と推定対象地点の距離などの推定方式のパラメータを変化させた場合の推定性能への依存性を分析する。推定方法の推定メカニズムをより簡易な伝搬モデルを用いて明らかにする。このような分析結果に基づき、推定可否条件を与える理論的表現を導出する。Wireless communications have become popular and are used in various environments such as outdoor, offices, homes, etc. As the use of the wireless communications becomes common, security issues have become one of the most important technical subjects. In order to realize secure communications, a new wireless security technique based on wireless propagation characteristics has been proposed. The proposed technique is based on the reversibility and the locality of the wireless propagation characteristics to generate a common encryption key sequence between two wireless stations without pre-assignment and sharing of the key. The generated key can be used to realize secure secret wireless communications. The security performance of the technique has been analyzed in a viewpoint of encryption, however it has not been discussed from a viewpoint of radio propagation. The security of the technique relies on the fact that the received signal cannot be estimated from a remote point where the distance from the target point of the estimation is larger than the correlation length of the multipath fading environment. However it may be possible if an eavesdropper uses a higher performance receiving system such as directional antennas or multiple antenna systems, etc. In this paper, the possibility to break the locality is discussed. A method to estimate the received signal characteristics is presented based on the observed signals at multiple different points at a certain distance from the target and the estimation performance of the technique is evaluated quantitatively via computer simulations. The dependence of the estimation parameters on the estimation performance is analyzed. The mechanism of the estimation method is clarified through the analysis assuming a simpler propagation model. Based on the results of the analysis, a theoretical expression for the requirement to achieve successful estimation is derived.
著者
-
井上 恵輔
Department of Electronics, Doshisha University
-
岩井 誠人
Department of Electronics, Doshisha University
-
笹岡 秀一
Department of Electronics, Doshisha University
-
岩井 誠人
同志社大学大学院工学研究科
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笹岡 秀一
同志社大学大学院工学研究科
-
岩井 誠人
Department Of Electronics Doshisha University
-
岩井 誠人
Atr適応コミュニケーション研究所
-
笹岡 秀一
Department Of Electronics Doshisha University
-
岩引 誠人
同志社大学
-
井上 恵輔
Department Of Electronics Doshisha University
-
岩井 誠人
同志社大学
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