唾液中ストレス応答物質によるストレス評価とブラキシズムによる影響

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ストレスは全身疾患のみならず顎口腔領域における疾病発症にも関与しているといわれている.近年こうしたストレス刺激に対する生体応答の客観的評価が,試料採取が非侵襲的でしかも容易である唾液を利用して,ストレス応答物質の分泌濃度の測定により可能であるとの報告もされてきている.また,ストレス性で発現が増強される睡眠ブラキシズムは,強力な咀嚼筋活動を行うことで顎口腔系組織を破壊せしめる要因となり得るとされている一方,近年になってこのようなブラキシズムがストレスの発散という生理的な意義を有するとの示唆も報告されてきた.本研究は,実験的に負荷した不快および快刺激が唾液中ストレス応答物質として抽出したコルチゾール,メラトニン,S-IgA の分泌濃度をどのように変動させるのかを,そして負荷刺激の種類が睡眠ブラキシズムにどの様な影響を及ぼすのかを,さらにはブラキシズムと唾液中ストレス応答物質の分泌濃度との関連性についても検討した.結果から,唾液中のコルチゾール,メラトニン,S-IgA の分泌濃度は,ストレス指標として有用であること,そして夜間ブラキシズムは就寝前の負荷刺激の種類に依存して増減し,3物質分泌濃度の変動からはブラキシズムにはストレスを緩和,発散する効果を有するとの示唆を得た.
朝日大学の論文
2009-02-20

唾液中ストレス応答物質によるストレス評価とブラキシズムによる影響

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