老年看護学における高齢者理解のための教育方法の検討 : 看護学生の情緒的理解を促す教材の活用(実践報告)
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概要
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本研究は,看護学生の高齢者理解を促す教育方法として,図書を用いた学生の情緒的理解を促す試みについて検討したものである.図書は,河合隼雄著『「老いる」とはどういうことか』を用いた.学生の記述したコラム「してあげる」の感想およびコラムの感想に対する学生の考えの内容について,高齢者理解の観点から質的に分析し,情緒的理解の様相を明らかにした.「してあげる」の感想からは,共感や肯定的な解釈が多く,高齢者心理の背景として,人間の尊厳,自尊心,老いの必然性など,心情の理解として深く踏み込んだ内容であった.また,高齢者理解に関しては意識に変化があったとする者が多く,図書の活用が学生の高齢者理解に与えた影響は大きいことが明らかになった.老年看護学において,高齢者に対する情緒的理解を促す教育方法として,図書の活用,特に心理描写のある教材が有効であったと考えられた.
- 日本老年看護学会の論文
- 2003-11-01
著者
-
田中 敦子
埼玉県立大学短期大学部看護学科
-
鳴海 喜代子
埼玉県立大学短期大学部看護学科
-
伊藤 道子
埼玉県立大学短期大学部看護学科
-
伊藤 道子
埼玉県立大学短期大学部 看護学科
-
田中 敦子1)
1) 埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科2) 札幌医科大学保健医療学部看護学科
-
田中 敦子
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科
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