昭和中期(戦後)における扇風機の発達 : 扇風機のデザインにおける歴史的研究(3)
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概要
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扇風機の基本的な機能は,第2次世界大戦前に,ほぼ満足のゆく段階に至っており,戦後追加された機能としては,いわゆる「お座敷扇」に見られる首伸縮機能くらいである。これは1台で洋間にも和室にも使用可能な経済的な扇風機と認知され,団地を中心に広く受け入れられた。戦前発明された幅広3枚羽根の「エトラ扇」は,戦後特許が切れたことにより,各社がこぞって採用するようになる。安全性が確保されたことから,ガードの間隔の疎らなものが増え,流線型の本体との相乗効果により,戦前に比較し軽快でスマートな印象を与える扇風機も登場した。色彩に関しては,扇風機は「黒」という常識が,戦後のカラー化導入によって覆された。これは,進駐軍の影響とプラスチックの採用によるところが大きい。この時期の扇風機用ガードのデザインの多様性には目を見張るものがあり,扇風機のモデルチェンジやバリエーション展開により付加価値を与え,消費者の購買意欲をそそる営業戦略的側面において,大いに寄与している。
- 2009-07-31
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