12.冷凍タラ肉の硬化に関する電子顕微鏡的研究(10周年記念号)
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概要
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タラは冷凍によって肉が筋っぽく硬化してくるが,この硬化現象を電子顕微鏡その他でしらべ以下の結果を得た.(1)-20℃で12ヵ月貯蔵し,かなりの硬化をみたスケトウダラ肉では,硬化に関与しているとみられる筋細胞表面の壁土様変化(硬化)と筋細胞内のミオフィブリル,ミオフィラメントの各繊維化が認められた.一方ほとんど硬化をみなかったイナダ肉では,筋細胞表面が若干硬化しているのみで筋細胞内の構造変化は認められなかった.(2)上記のスケトウダラ肉の構造変化は,イナダ肉ではほとんど観察されなかった冷凍中の筋細胞内からの著しい脱水に起因していると考えられ,この脱水がまたスケトウダラ肉蛋白の冷凍変性をひきおこしているとみなされた.
- 低温生物工学会の論文
- 1969-09-30
著者
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